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お墓を準備する

多様化するお墓の選択

いま日本人の7割は、お墓をもっているといわれます。
ところが生前にお墓の準備をするのは、残りの3割の人だけでなく、すでにお墓のある人も「私らしいお墓で眠りたい≒家へのこだわりから自由になりたい」あるいは「承継者がいないから」などの理由で、新たに自分にふさわしいお墓を求めるケースがあります。
生前のお墓選びは、本人の希望が優先されるのはもちろんですが、実際にお墓参りするのは家族です。
家族の意向も十分尊重して選びましょう。

承継者や購入価格を考えると

少子化時代の昨今、承継者がいない人、あるいは子どもがいても、お墓の承継を義務づけたくないと考える人が増えて、承継者のいらない永代供養墓(合葬墓)が注目されています。
寺院以外にも、公営・民営の霊園にもあります。
「有期限制」のお墓もあります。
30~50年の契約で、承継者がいなければ、その後は合葬されます。
いずれも普通に墓地を購入する場合にくらべて、価格もかなり割安です。
合葬式のお墓は、お参りする人が多く、墓が荒れ果てる心配がないのが大きなメリットといえるでしょう。
合葬式のお墓には、次の3種があります。
①寺院墓地の永代供養墓/寺院が代わって永代に供養し管理するお墓で、全国に多数あります。
②会員制共同墓/生前の申し込みが原則で、会員どうしが生前交流で縁を深め、死後は生きている会員が供養してくれます。
③公営の合葬墓/生前申し込みができ、生前交流はありません。

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省スペース化の立体墓地も

●壁墓地/薄い墓石を長い壁のように横に連ねて面積を節約したもの。
 地下部分が納骨室になっています。
●納骨堂/納骨堂の利用も多くなってきました。
 仏壇式、ロッカー式、室内墓地型などがあり、コンピュータ制御で、故人の骨壷がお墓参りに来た人の目の前まで運ばれてくるものもあります。

無縁墳墓とは

承継者がなく、墓地の使用権が失われたお墓です。
墓地の管理者が改葬(お墓を移すこと)・処分する場合は、1年間お墓の前に立て札を立てて縁者をさがす、官報に載せるなどの条件があります。
普通は5年間程度は保存された後、遺骨は無縁塔に合葬されます。

墓碑銘も生前に自由に選べる

ここ数年、各地の大手の民間霊園を中心に、個性的なお墓が数多くみられます。
墓碑銘も、各自の考え方によって決めるようになりました。
●家墓/「○○家の墓」と家名を刻み、家族の一体感を表しています。
 いま日本でいちばん多くみられる形態です。
●無家名墓/家名を用いず、「夢」「偲」「愛」など、自由な言葉を刻んだお墓。
●両家墓/結婚した娘が承継者の場合、実家と婚家の家名を並べて刻み、両家で使用します。
 一人っ子どうしの結婚が多くなると、両家墓が増えます。
●夫婦墓/夫婦の名を刻んだお墓。
 生きている人の名には朱を入れます。

お墓以外の選択もできる

お墓には入らずに、好きな山や海に散骨する、あるいは、墓地ではあっても墓石や骨壷を使わない樹木葬をエンディングプランに組み込む人も増えてきました。
また、遺骨をペンダントや指輪に加工してもらうこともでき、新しい選択肢がいろいろ広がってきています。

自分の好きな骨壷を選ぶ

陶芸をする人のなかには、自分の骨壷を自分でつくる人がたくさんいます。
また、骨壷専門店もあり、全国の有名な焼き物の好みの骨壷を手に入れることもできます。
最後に骨壷に自分らしくこだわるのも、ひとつの選択です。
値段は、5000円~数十万円までいろいろです。

遺言を書こう

自分の意思を伝えるために

遺言は、お金持ちのすることで、庶民には関係ないと思う人が多いようですが、じつはお金のない人ほど、後に残された人への配慮が必要。
少ない遺産をできるだけ有効に使うために、遺言が効力を発揮することも多いのです。
自分の意思を、死後、法的に有効なものにするためには、遺言の作成がいちばん確実です。
遺言がないと、遺産は相続人の協議に委ねられ、決まらなければ法定相続となって、唯一の財産の家を売らざるを得なくなったりします。
遺言は、各家族の実情に合った決定をすることができる方法です。

効力のある遺言にするには

必ず書面にしておくことです。
口約束は、法的に有効な遺言とは認められません。
カセットテープやビデオ・DVDに録音・録画しても、法的には無効です。
1人1通が原則で、夫婦連名は無効です。
次の3つの遺言が有効です。
●自筆証書遺言/遺言の全文と作成日付を自筆で書き、自分で署名・押印します。
保管は各自でするか、貸し金庫、信託銀行、弁護士に依頼します。
●秘密証書遺言/遺言書は代筆でもパソコンでもかまいませんが、本人の署名・押印が必要。
遺言に押印した印鑑で封印。
公証人1人、証人2人の前で自分の遺言であることを述べ、公証人、証人、遺言者全員が署名・押印します。
●公正証書遺言/遺言者は証人2人以上を立会人とし、公証人の面前で遺言を述べます(手話通訳や筆談を介してもよい)。
公証人は遺言の内容を筆記して読み聞かせ、遺言者と証人はその内容が正確なことを確認したうえで、それぞれ署名・押印します。
遺言者の印鑑は印鑑登録をした実印です。
公証人は、以上の経過を経てその遺言書がつくられたことを付記し、署名・押印します。
紛失、偽造、誤りもなく、いちばん確実な方法です。

法的効力のある遺言事項

遺言は、法的効力のあること以外は、書いても執行される保証はありません。
次のものは、法的に効力のある遺言事項の主なものです。
▼相続財産に関する事項
①相続分の指定/法定相続分を変更できる。
②遺産分割方法の指定/だれに何をあげるか指定できる。
③遺産分割の禁止/5年間遺産分割を禁止し、相続人で共有させられる。
④遺贈/遺言で財産の贈与ができる。
▼身分に関する事項
①推定相続人の廃除/財産をやりたくない人を廃除できる。
②子の認知/生前認知できなかった子を認知して、財産を相続させられる。
③後見人・後見監督人の指定/未成年の子を後見してもらう人を指定できる。
▼その他
①祭祀の主宰者の指定
②遺言執行者の指定/遺言内容を執行してくれる人を決められる。

内容変更・撤回

遺言は何度でも書き直しできます。
内容が抵触する遺言が2つ以上あるときは、日付の新しいものがその部分においては有効になります。
●自筆証書遺言/撤回なら破棄し、一部変更ならその内容についてのみ作成し直す。
●秘密証書遺言/撤回なら破棄し、変更の場合はその旨を明記した秘密証書遺言書か公正証書遺言書を新たにつくる。
●公正証書遺言/原本が公証役場に保管されているので、撤回・変更する場合は、前の遺言を取り消すという遺言を新たにつくる。
 新しい遺言も公正証書遺言にしておくほうが安心。

公正証書遺言の費用

公証人手数料(相続・遺贈額合計が1億円に満たないときは規定の手数料に1万1000円を加算)+用紙代(1枚250円)がかかります。
公証人手数料は相続額に応じて変わります。
100万円まで 5,000円
200万円まで 7,000円
500万円まで 11,000円
1000万円まで 17,000円
3000万円まで 23,000円
5000万円まで 29,000円
1億円まで 43,000円
(それ以上は略)
出張した場合は、公証人手数料が通常の1.5倍、日当2万円(4時間まで1万円)、交通費の実費がかかります。

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